この記事を書いている2022年10月10日の時点でのドルと円の為替レートは1ドル=145.36円です。
今年に入っても円安が進んでいて、9月22日には政府と日銀が為替介入を実施したと伝えられています。
こうした為替レートの話題が出るとたびたび登場するのが「ビックマック指数」です。
今回も次のような記事が出ていました。(幻冬舎ゴールドオンラインより)

「ビックマック指数(BMI)」とは
世界各国のマクドナルドで販売されているビッグマック1個当たりの価格を相対的に比較して指数にしたものです。
イギリスの週刊新聞『エコノミスト』が発表している「ビックマック指数」によると、日本の通貨「円」の購買力は54ヵ国中41位となっています。
マクドナルドのビックマックが世界各国で発売されていて、その価格を各国の為替レートで比較している「ビックマック指数」。例えば日本国内では(店舗による地域差がありますが)ビックマックが1つ390円で販売されています。日本からの旅行者が「ビックマック指数」で見てもっとも為替の強いとされるスイスを訪れて、ビックマックを購入すると1個あたり円換算で925円払わないといけないそうです。
各国のビックマックの価格の決まり方は、それぞれの国の従業員の人件費や、家賃、税金など様々な要因を踏まえて値付けされます。このため同じビックマックでもコストが違う商品であることから、単純に販売価格だけから比較することは困難でありますが、おおよその参考として各国の通貨での購買力を比較する際に使用されています。
詳しい説明はこちらのサイトの説明がわかりやすいのではないでしょうか。

「円」の力は衰える一方!?
先のビックマック指数の結果(54ヵ国中41位)を見ると、日本の「円」は、欧米の国々はもちろん、中国、韓国、ベトナムなどの国々よりも下位に位置しています。
こうなった要因はいくつかあると思いますが、大きなものとしては中央銀行の政策と賃金の差が影響しているのではないでしょうか?
世界を襲った新型コロナウイルスからの経済再生のために、各国の中央銀行や政府がお金を大量に供給してきました。
各国で経済が再生し始めて、物価が上昇したことから、大量に供給してきたお金を今度は一転して物価制御のために引き上げに動いています。
こうして各国のお金が世界の市場から減少して希少価値が増していく中、日本では「円」を大量に供給し続ける政策を続けていることから、市場に大量に残される円と、日々希少性が増していく他の通貨との間で、価値が開いていくという状況です。
しかしながら、この動きも来年2023年の春頃には変化が起きそうです。
アメリカの中央銀行が、(今後の物価動向次第ですが)利上げを停止すると見込まれることと、日本でも日本銀行総裁の任期満了で交代の時期になり、現在の金融政策が変更される可能性があります。
また、入国制限の緩和で訪日観光客(インバウンドの旅行者)が増えて、各国からの旅行者が増えると、海外の通貨を「円」に交換する需要が増えます。「円」を買いたいというニーズが増えれば、「円高」の動きにつながり、一方的に「円」の価値が弱まっていく現在の流れに歯止めがかかるかもしれません。
資産の通貨分散を意識する
日本国内で生活する私たちにとっては、海外旅行などに行かない限り日々の為替レートの動きはあまり影響がないように思いますが、日々の生活や企業活動に輸入品が欠かせない国であることから、長い目で見ると為替レートの変化はじわじわと私たちの生活に影響を及ぼします。
資産を管理するときには、すべてを「円」で持つのではなく、海外の資産にも適度に分散して将来「円」が弱くなっても、購買力に影響が出づらくすることを意識した方が良さそうです。
まとめ
老後の資金を準備している方、iDeCoやNISAなどを使って将来のお金を準備している方、将来も日本国内で生活するから「円」の資産だけをもっていれば大丈夫ということではありません。
「円」の価値(購買力)は日々変化しています。長い目で準備する資産については「円」以外の通貨で持つことも検討してみてください。
ではFXの様な通貨取引をするのかというとそういうことではありません。
国内のネット銀行などでも扱っている外貨預金や、世界の株式や債券に投資できるETFや投資信託もあります。
それでも抵抗があるという方は、海外でビジネスをしている国内の会社の株式を購入するという方法も考えられます。
海外でビジネスをしている会社が現地の通貨で収益を上げてくれる努力をしてくれますので、間接的ではありますが「円」以外の通貨を持っているのと似たような効果が期待できます。
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